<2月10日>(金)
○貿易収支や経常収支のことを、これだけ多くの人に聞かれるのは初めてですね。「貿易動向調査」の仕事に長年携わってきて、こんなに脚光を浴びたのは空前絶後です。それもそのはず、「今までずっと黒字だったものが赤字に変わる」わけだから、すごく分かりやすいインパクトがあるのですね。恐怖があるから、ニュースが注目される。ちょっと不健全なところがありますな。
○思うに一連の議論は、「2015年には経常赤字になるかもしれないから、早く消費税を上げなきゃいけない」とか、「代替燃料費で貿易赤字が増えるから、早く原発を再稼動しなきゃいけない」といった脅迫の材料に使われている面があるような気がします。あたしゃ消費税は上げなきゃいけないと思うし、原発再稼動も賛成だけど、どちらも「見切り発車」はいけません。ちゃんと手続きを踏んでやらないと、後でかならずひっくり返されると思いますぞ。
○データというものは虚心坦懐に読むべきものであって、あらかじめ何らかの結論を引き出そうという「邪心」を持って接するべきではありません。ところが、世の中にはよこしまな数字の方が、まともな数字よりもはるかに多いのですな。「だから○○は××すべきである」と言いたいための補強材料として、作られるデータのなんとアホらしいことよ。
残念なことに、「世の中にはよこしまな数字の方が、まともな数字よりもはるかに多い」ので、何らかの主義、主張、政策に関わる数字は、その補強材料として作られていると見てしまうのが、現状ですね。直接的に何らかの主張を伴わないデータでも、なぜこのタイミングでその調査結果を公表したのかとか、その裏を考えてしまうことも。


